第2話・オタモイに来てみたけれど・・・。

 前回までのあらすじ
 高校1年の夏休み。折角の休みなので、小樽はオタモイに旅行に行く事になったが、出足からRYOとフェイがバス停に釣り道具を置き忘れる大チョンボを魅せ、2人は走ってバス停へと戻る事に。いきなり、二手に分かれて行動する事を余儀なくされた一行は無事に合流しオタモイに行けるだろうか!?では、本編の開始です!

 出発早々にRYOとフェイが下車するという事態にバスに残った3人はテンションが下がる一方だった。
 岩夫 「ちゃんと、追いついて来れるかな?」
 みっつ 「大丈夫じゃない?奴らもガキじゃないし、RYOの奴がピッチをもってるしさ。」
 こんな具合で、小樽までの道中は、したくも無い心配をしながらの足取りの重いものになった・・・。それから、1時間ほどで小樽に到着したみっつ達は小樽駅前で2人を待つことにしたが、いつまでたっても到着しなかった。
 ヨハン 「仕方ないから、電話してみるよ。」
 公衆電話から電話をしてみるが、電源が入っていないというアナウンスしか流れず、徐々に3人は頭に血が上り始めていた。既に小樽に到着してから2時間ほどが経過し、RYO達もとっくに到着してるはずなのに現れないので、みっつ達は駅前を探し始めた。
 フェイ 「あ~!いた~!!!」
 ある一角で、RYOとフェイを発見する事が出来たのであった。それからしばらく、RYO達はみっつやヨハンに説教を食らっていた。合流に予定外に時間が掛かってしまったので、5人は急いで小樽駅から出ているバスに乗り込み、オタモイを目指した。
 フェイ 「ここで降りるみたいだよ~。」
 ここからは、場所を決めたフェイの見せ場であるが、バスから降りた一行の眼前には異常に長い坂とあたり一面の森しかなかった。
 みっつ 「あ、あのさぁ。オタモイって、海岸だろ?ここって普通に山だぞ!」
 岩夫 「どうやら、看板によると坂を登って行くみたいよ・・・。」
 RYO 「ま、マジか~!?」
 ここまで来たら行くしかないとばかりに、岩夫を先頭に一行は歩き始めたが、異常に長い坂が立ちはだかり余計に時間が掛かってしまう。たまに、行き先を同じくする車が横を通り過ぎて行くのを恨めしそうな目で見ながら歩き続けた。
 岩夫 「どうやら、坂は終わりみたいだよ。」
 みっつ 「マジ!?やったな~!!」
 疲れた足に鞭打ちながら、走った一行だったが、上がり坂の先には当然ながら下り坂があった。しかも、ここも異常に長い・・・。
 RYO 「よし、帰るか!」
 みっつ 「こらこら、とにかく歩くべ。」
 ヨハン 「それに、かなり海が近いみたいだぞ。音や匂いで分かる。」
 最後の一頑張りとばかりに5人は歩き続けたが、下り坂は入り組んでいて更に体力を奪われてしまう。だが、徐々に見えてくる海に希望を馳せて一行は進んだ!そして遂に、
 フェイ 「着いたみたいだね~。」
 みっつ 「つ、着いたはいいがフェイよ。ここ、岩しかないぞ・・・。」
 そうなのである。オタモイには砂浜が無く、ひたすらに岩場が続いていた。海の中にも魚は見当たらないし、釣りで食料を確保するという無謀な計画も潰えてしまった。しかも悪い事に、到着した直後に廃屋の様な海の家が閉まった。どうやら、天候が悪くなるから早めに閉めたらしい。
 RYO 「ここで、一晩過ごすのか!?」
 みっつ 「海の家も閉まったし、食い物も無いぞ!」
 ヨハン 「この岩の上で寝るのは厳しいな・・・。」
 とりあえず、海岸を散策する5人だが、見れば見るほどに何も無い。それもそのはず、このオタモイ海岸は後に聞いた話では自殺の名所で有名な心霊スポットらしかった。フェイよ、こんな場所をよくぞチョイスした・・・。
 岩夫 「ここでキャンプは無理でしょ。」
 ヨハン 「最もな意見だと思いよ。とりあえず、小樽駅まで戻って今後の身の振り方を決めない?」
 みっつ 「賛成~!」
 RYO 「右に同じ!」
 そして、これまで下ってきた坂を5人は上り始めた・・・。その足取りの重さは行きの比ではなかった・・・。

 さて、どうだったでしょうか?今回の話は今だから面白可笑しく書ける話です・・・。当時は、その場その場を必至で生きていました(汗)
 という訳で、次回はオタモイから敗走した一行が向かう安住の地とは!?第3話「いざ、銭函へ!?」をお楽しみに~。

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ
           [製作協力] RYO


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